感情の吐き出し方がわからないまま大人になってはいけない。
僕は25だ。
四半世紀生きた。
いろんな人と出会った。
18までのぼくは、喧嘩や対立もすることなく、無難に中間をとったような交友関係でやってきた。
全て今になって、風が過ぎ去ってから良く考えたら、人付き合いというのは至極面倒だった。
高校までの自分は、今思うに他人というものに対して、好きと嫌いの感情は少なかったのかもしれない。
それは今もそう。簡単に他人の影響を受ける。他人の影響を受けるふりをして、好感を得る。それが1番他人の木 気持ちを安心させる材料だから。中にはフリでなくなるケースは多々あるが。
そこには、自分がこれまで受けてきた影響の中から、文化的な好き嫌いを取捨選択して自分の好みを形成する。
ただ、それは趣味の延長にある話であって、交友関係という面では非常に体力を、使った。
僕にとってメリットがあるか、はたまた無害か、もしくは、害か。
3年間耐えれば交友関係は、ほとんどリセットされるから、仲良くするだけ無駄、なんとも思っていた。結果、今でも連絡を取り合う人は、高校までの交友関係においては偶然再会したものを除いて、4.5人程度だと思う。
僕が18の時だ。全てが変わったのは。
そこでもまた4年経つと全てがリセットされると思っていた。
結果、まさか25になった。
だから、25にもなって、自分の感情の抑え方がまだわからない時がある。それは酒の勢いもある。それは僕の考える優柔不断が招いた結果もある。相手の怒りの感情に感化されることもあった。僕は相手の感情に感化されやすい。なぜなら、そうしないと文字通り死ぬ時期を生きた結果の産物。
かつて、1つのすれ違いで永遠の別れとなった者や、愛の履き違えや、死別や、そういった関係図は、全部4年経てば新天地で全てがリセットされると思っていた。
4年経てば全てがリセットされると思っていた僕だったが、未だに18夏に聴いていた音と生々しい想いに想いを馳せる。
8年後、は、もう目の前にあるのだ。2回目のリセットを押すタイミングもない。
リセットされない。
実に交友関係がリセットされない。
良かったことの裏返しに消したい失敗の山が時折夢に出る。
リセットされない世界に、僕は考えをまとめられない。
ただ、1つ、ほんとうに大事な選択を誤ったことだけ。
その失敗をして、僕は感化されない本当の感情に気づいたのだろうか。
いや、違うだろう。僕の思い通りのシナリオが描けなかったことを悔やむ愚かな人形を哀れむ、僕はそんな自分勝手さに感化されやすいんだ。
それは、やはり取り戻すことはもう叶わないと、諦めていればいいのに。
僕はまず後悔しながら生きるんだと思う。
君はさぞ嬉しいだろう。
僕は後悔しながら死んでいくのだ。
火薬の匂いと秘密基地のラジオを抱える僕は。
すれ違いも回数を重ねるとお互い虚しい
ーーー
かつて、友であった全ての人間に。
来世は、今世のやりなおしであってほしい。
強くてニューゲームであってほしい。
時間を超えて、意識を土に埋めながら。
突然ブツッと切れるスクリーンのように。
チャンネルを切り替えた並行世界でまた会おう。
そこで、僕は間違えないための記憶を頼りにまた会おう。
後悔しながら生き続けるこの世界で精一杯の神話を想像して
その想いを次の世界で君と永遠の別れが確定する前にその想いを成就するために。
18の夏の終わりから、僕はまだ何もリセットできないでいる。
それが、僕が書く全ての音の日記だ。
認知症になっても、この音が鳴らす真意は僕にしかわからない。
僕にしかわからない
かつて友であった者や、かつて愛を交わしたものや、かつて師となり得たものや、師だったもの、僕を師と呼んだもの、呼ばなかったもの、
全てがリセットされた今世のやりなおしの並行世界でまた会おう
